鹿野式プリント基板製作法
今回の製作では、生基板をエッチングした自前のプリント基板による配線を採用することにしました。
特にシャーシーサイズが小さいわけでもなく、通常のラグ板配線でも可能な仕様となる予定だったのですが、かれこれ10年以上プリント基板なるものを自作しなかったので、「製作技術の温存」のためにも、はるか昔より続けてきた独自の方法により製作しました。細かいパターンには不向きですが、ローコストで、そこそこキレのよいパターンができる簡易な方法です。
パソコンやフォトレジストなど一切使わない原始的な方法ですので、ほとんど手元にある材料で作業を進められます。
アートワークは、1mm方眼紙の表にパターン面を、裏に部品配置を鉛筆で描きます。裏表の記入は、自作のバックライト付転写台で透かしながら確認、同時に回路図ともにらめっこ。この作業は、十分時間のある休日に一気に書き上げるほうが全体のイメージを忘れることが少ないようです。ただ、後日には必ず2度3度チェックを行いますが、ほとんどの場合、間違いが何ヶ所か見つかります。
できあがったパターン原稿を普通紙にコピーして、基板の銅箔面に両面テープで原稿コピーを貼り付けます。この両面テープは、マスクとなる重要なアイテムですが、一般用の極薄い厚みのものが適しており、ホームセンターで50mm~110mm幅のものが手に入ります。

次に、千枚通しで穴あけ位置にポンチを打ちます。
カッターナイフでランド境界に切り込みを入れ、銅箔除去部分のマスクを取り去ってゆきます。
この二つの工程は、マスクの密着度を高める役割が同時にあります。途中に空気泡があれば押さえ込んで密着させます。
さて、エッチング液をバットに移していよいよ基板を漬けます。
この液は、かの10余年前に使用したのを容器にもどし保存、今回4~5度目の働きとなります。能力が落ちていることが予想されますので、あらかじめお湯で容器ごと温め、かつ暖房の効いた室内で作業します。液のダレに気をつけないといけませんが、液の温度はスピーディーかつキレのよい仕上がりに寄与します。
液の温度が高ければ(風呂のぬるま湯ぐらい)、この古いエッチング液でも30~40分で完了となります。新品の液だと20分ぐらいでもOKとなるでしょう。両面テープのマスクは、見かけによらず耐液性があり、うっかり2~3時間漬けっぱなしにしても、ほとんどランド部分を侵しません。

エッチングの上がった基板は、ランド部分のマスクを除去、クレンザーで研磨、真水で洗浄、乾燥、フラックス塗布、と作業を進めます。
穴あけ作業は、エッチング前に行う方法も紹介されていますが、この方法では、ここまで一連の作業の後に行うほうが良いようです。
今回は、穴径が4~1mmと数種類に及ぶので、大きい径の穴から先に作業しています。
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コメント
両面テープを利用する方法ははじめて知りました。両面テープと両面テイプの接合部の処理はどのようになさっているのでしょうか。重なっても隙間ができても具合が悪いと思うのですが。ぴったりとあわせるコツなどがあれば、お教え下さい。よろしくおねがいいたします。クマガイ
投稿: クマガイ | 2009年4月23日 (木) 17時35分
クマガイ さま、はじめまして。
拙ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
ボート関連の記事が中心のつもりで開設したのにもかかわらず、プリント基板関連の検索ワードでこちらにこられる方がけっこういらっしゃるようで、改めて解説記事をupしようかと考えていた矢先でした。
>両面テープと両面テイプの接合部の処理はどのようになさっているのでしょうか。
まず重要なポイントは、両面テープの銘柄選定です。
“超強力”とか、“透明”とかを謳った製品が多くありますが、使った実績がありませんのでお勧めできません。一般用の厚み0.1mm前後で、基材ありのタイプがいちばん使いよいとおもいます。厚み0.15mm以上の製品は、カットに余計な力を要するので避けたほうがよいでしょう。20~40分程度エッチング液の中で耐えれば良いので、耐久性はあまり重要ではありません。
下記のリンクは私が現在使っている製品と同等品です。
http://www.amazon.co.jp/nitoms%EF%BC%88%E3%83%8B%E3%83%88%E3%83%A0%E3%82%BA%EF%BC%89-%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%94%A8%E4%B8%A1%E9%9D%A2%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97S-%E7%99%BD%EF%BC%8850mm%C3%9720m%EF%BC%89-J0740/dp/B000TGF8QG/ref=pd_ts_k_46?ie=UTF8&s=kitchen
二面以上のつなぎ合わせは、まず一枚目を貼り剥離材をはがし、2mm程度重ね合わせて、二枚目の剥離材の上からボールペンの先などで重ね合わせ境界をなぞり押さえつけます。
パターン紙を貼った後、カッターで切り込みを入れる作業により、カッターの押圧でパターン境界への接着がより増します。このとき、必ず空気泡が残っているとおもいますので、カット途中に切り込みより空気を排出、押さえ込むことでほぼ良好な接着が得られるとおもいます。
どうぞご健闘ください。
投稿: 奈良の鹿野 | 2009年4月24日 (金) 23時21分