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今年の冬は

昨シーズンとはちがって、ボートパークに来た日は、どんよりした雲の低い日が多いようです。
風の強さも影響してか、海況も不安定になりがちで、ちょっと港外に出たものの、揺れとハルの叩きの多さにこりて、たちまちUターン帰港することもしょっちゅうです。

Vfsh0006s こんな日はキャビンの中で過ごすにしても、日差しがないためキャビン内の温度は上がってくれません。
正月4日には、キャビン内で新アンプの基板に部品の実装作業を行ったのですが、寒かったのなんの。
でも、小型カセットコンロを用意していたので、お湯を沸かす時間は大幅に短縮されました。冷蔵庫もあって、キャビンの一角はちょっとしたギャレー風に変貌しています。
この日、これで沸かしたコーヒーとカップ麺は実においしかったです。 

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それからしばらくして、とうとうストーブも購入してしまいました。
カセットボンベによるプロパンガス・ストーブです。標準のボンベ一本で連続一時間足らずと、よくガスを食いますが、小型にもかかわらず能力が大きく、十分暖かいです。

三つ目の画像は、件の新アンプ「フシアナサン」の後方。
ひときわ目立つハンドルは、家具用の取っ手です。これでも一個¥100。
Img_0773sアンプをフネに搬入するためには、片手で手提げできる必要があります。ハンドルの取り付け位置をどこにするか考えた結果が、この後方デザインになりました。自称「着艦フック」と呼んでいます。

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ロールアウト

112s_2 はたせるかな、13FD7pp艦上差動アンプ「フシアナサン」は、1月14日、初陣となる「2008年新春OFF会」にはるばる横浜に向け出撃しました。

このアンプは、ボート上で運用するための様々な特徴があります。
課題となっていた放熱に関する処理は、発熱を無理に回避することよりも、出た熱をいかに均一に逃がすか?というコンセプトで配慮しました。

まず、外観上のアクセントとなっているアルミサッシ流用の放熱器により、半導体の放熱ベースに供すると同時に、シャーシーパネルの過熱を防ぎ、真空管周辺の空間をチムニー構造にして上方への排熱を促進します。

電源トランスは100VA容量の電圧変換トランス(200~240V→100V)を流用し、一次二次反転で使用しています。本来二次の100V巻線には巻き足しがあるため、AC100Vを加えたとき、240V巻線には若干低い電圧が現れます。そのため、得られるDC電圧は過度に高くならず、出力段の所要実効電圧にちょうどよい電圧が得られると同時に、十分余裕のある電流容量でトランスからの発熱はかなり少なくできています。

ヒーター電源は、ボート上ではバッテリー電源より直接12V強の電圧を供給し、本体にはヒーター電源を持っていません。地上での運用に際しては、外部に小型12Vスイッチングレギュレータ(3.8A)を用意して対応します。

と、他にも特徴はいろいろあるのですが、後の記事でおいおいと言及していくことになるとおもいます。

Img_0770s 回路構成は、初段2SK246GR、二段目13FD7ユニット1、出力段、同ユニット2、OPT、FE-25-8,8kΩppです。電源はリップルフィルターに2SK2847を投入してあります。
スペックは、最大出力6W/ch(歪率2%)、ノイズレベル0.12~0.15mV(L~Rch)、ダンピングファクター18、周波数特性10Hz~105kHz(-1dB)といったところ。NFB13.5dBで仕上がりゲインは17.5倍(24.5dB)と大きめですが、既存MDレシーバーのメインアンプ部とほぼつり合っています。
・・・(とここまで書いて何か足りないと思われた諸賢、おそれながらこのブログでは回路図、図表の類はできるだけ出さない方針をつらぬきたいとおもいます)

突出したスペックでもなく、コンパクトさもほどほど、平凡な基本回路構成ではあるのですが、バランスのとれた内容となったと思っています。しかし、善本さん宅のオフ会では、きわめて多数の参加作品に埋もれて、傑出した作品には見えないようでした。

Img_0747sImg_0757s オフ会はあけて、本機の初着艦は、一週間後の1月20日となりました。
他の全段差動アンプもそうであったように、本機の音質的な特徴を一言で現すと、“アルデンテ”です。この性質は、特に小口径のスピーカーシステムで持ち味を発揮するように感じています。
ダンピングファクターも十分あり、目論見とおり艦載アンプに適した仕上がりに完成できたようにおもいます。

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「フシアナサン」佳境

13fd7s製作するアンプの概要がほぼ定まったのは、07年の12月に入ってから、その作業にさらなるモーションをもたらしたのは、年明けの14日に横浜の善本さん宅で開催される「2008新春OFF会」の案内を知ったことでした。
関東方面へのオフ会出席は、持参する作品にとぼしいこともあり、約3年のブランクがあったので、いずれは、という気持ちをいだいている最中に、実にあわただしいタイミングでこの報はもたらされました。
幸いなことに、今回年末年始の休日は、ほぼ一週間のまとまった休みがとれそうなので、この期間に集中すれば、なんとかオフ会に間に合わせられるとの見込みを期待していました。

節穴付の枠材を利用したシャーシーの製作が12月前半、年末のラスト10日間には、テスト用のバラックを組み立て、得られたデータより、回路の手直しと基板パターンの変更を同時に進行するというドタバタをやっていました。

このアンプの回路設計は、目標となるスペックを満たすために算出される回路定数を導き、それに従って部品を買い揃える、という一般の手順とは基本的に異なっています。
たとえば、位相補償用に使えそうな容量のコンデンサーが手持ちにあるとすると、それを挿入する段の遮断周波数が決まり、その周波数,位相特性で安定に施せるNFB量が決まり、従って仕上がりゲインやダンピングファクターがもたらされる、といった順番です。
今回の製作では、そのようなフィロソフィーをかなり意識して、コンストラクションや回路のあちこちに、それは生きているとおもいます。

PhotoImg_0738s 年は明けて、基板上の部品実装やシャーシー内のワイヤリングも佳境に入りました。おもわぬショート事故など、大きなトラブルさえなければ、なんとか完成できそう、という見通しまでこぎつけられました。

正月休みも最終の6日、発振器で与えたテスト信号の正弦波が、オシロスコープに現れたときの安堵感は、今まで作った作品の時にはなかったものでした。

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鹿野式プリント基板製作法

今回の製作では、生基板をエッチングした自前のプリント基板による配線を採用することにしました。
特にシャーシーサイズが小さいわけでもなく、通常のラグ板配線でも可能な仕様となる予定だったのですが、かれこれ10年以上プリント基板なるものを自作しなかったので、「製作技術の温存」のためにも、はるか昔より続けてきた独自の方法により製作しました。細かいパターンには不向きですが、ローコストで、そこそこキレのよいパターンができる簡易な方法です。

Img_0684s パソコンやフォトレジストなど一切使わない原始的な方法ですので、ほとんど手元にある材料で作業を進められます。
アートワークは、1mm方眼紙の表にパターン面を、裏に部品配置を鉛筆で描きます。裏表の記入は、自作のバックライト付転写台で透かしながら確認、同時に回路図ともにらめっこ。この作業は、十分時間のある休日に一気に書き上げるほうが全体のイメージを忘れることが少ないようです。ただ、後日には必ず2度3度チェックを行いますが、ほとんどの場合、間違いが何ヶ所か見つかります。

Img_0705s できあがったパターン原稿を普通紙にコピーして、基板の銅箔面に両面テープで原稿コピーを貼り付けます。この両面テープは、マスクとなる重要なアイテムですが、一般用の極薄い厚みのものが適しており、ホームセンターで50mm~110mm幅のものが手に入ります。

  

Img_0707s081s次に、千枚通しで穴あけ位置にポンチを打ちます。
カッターナイフでランド境界に切り込みを入れ、銅箔除去部分のマスクを取り去ってゆきます。
この二つの工程は、マスクの密着度を高める役割が同時にあります。途中に空気泡があれば押さえ込んで密着させます。

Img_0714s さて、エッチング液をバットに移していよいよ基板を漬けます。
この液は、かの10余年前に使用したのを容器にもどし保存、今回4~5度目の働きとなります。能力が落ちていることが予想されますので、あらかじめお湯で容器ごと温め、かつ暖房の効いた室内で作業します。液のダレに気をつけないといけませんが、液の温度はスピーディーかつキレのよい仕上がりに寄与します。

液の温度が高ければ(風呂のぬるま湯ぐらい)、この古いエッチング液でも30~40分で完了となります。新品の液だと20分ぐらいでもOKとなるでしょう。両面テープのマスクは、見かけによらず耐液性があり、うっかり2~3時間漬けっぱなしにしても、ほとんどランド部分を侵しません。

Img_0720s_3Img_0725s_2 エッチングの上がった基板は、ランド部分のマスクを除去、クレンザーで研磨、真水で洗浄、乾燥、フラックス塗布、と作業を進めます。
穴あけ作業は、エッチング前に行う方法も紹介されていますが、この方法では、ここまで一連の作業の後に行うほうが良いようです。
今回は、穴径が4~1mmと数種類に及ぶので、大きい径の穴から先に作業しています。

部品をマウント、ハンダ付けした完成基板がこちら。
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「フシアナサン」

昨年より引っぱりに引っぱっていたHayatori21搭載オーディオの新アンプですが、とうとう年を越してしまうことになりました。
新アンプに使うパーツは、早くより購入して用意してあったのですが、製作作業に入るための何か「とっかかり」に欠けていたのが遅れの主な原因のようでした。

すでに、使用する真空管は、TV用垂直偏向回路に使われていた複三極管の“13FD7”を、出力トランスはTANGO(ISO)の“FE-25-8”を起用すべく待機させていました。回路はプッシュプルとすることに加え、現在ではPPアンプとして、つとにポピュラーとなった全段差動回路構成を採用することを、フネにアンプを積むことを考えたころにほぼ決めていました。
この回路構成は、私の場合、前作、前々作においては、訳あってホームオーディオで標準とはならなかった形式なのですが、フネのようないろいろ制限の多い環境での使用には適しているんではないか?と、なんとなく見通しをもっていました。このことは、後の記事で結果を報告することになろうかとおもいます。

さて、詳細な回路構成は何種類か構想して、どれを採用するか迷ったこともありましたが、それが作業進行の主な足かせではありませんでした。

Photo_2ながらく製作をスタートさせるに足りなかった要素、それは「はやとりのこころ」をどう仕込むか?だったようにおもいます。

それを払拭し 着手にモチベーションをもたらしたのは、ストーブの薪にされかかっていた節穴のあいたタモ材の板と、サッシ屋さんの廃材置き場で拾ったアルミサッシの切れっ端だったのでした。

次期艦載機のコードネームは「フシアナサン」です。

Fusiana

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